セキュリティエンジニアとは
IT分野における技術革新は殊の外目覚ましく、今や誰もがスマホやタブレット端末から、いつでもどこでもネットに手軽にアクセスして、欲しい情報を簡単に入手できる時代です。しかし多くの人が日常生活に不可欠のものとして利用する一方で、サイバー攻撃や乗っ取りなど、その安全性が脅かされる事態が身近なものになっています。
ネットを介してやり取りされる個人情報がいつの間にか盗まれたり、それを利用してプライベートな写真や書類などがネット上に流出して多くの人の目に晒されたり、あるいは大規模なシステム障害によって、銀行の入出金ができなくなるなど、その影響はいよいよ甚大なものとなっているのです。それだけにネットワーク環境を安全快適な状態に保つための、情報セキュリティの重要性が高まっており、当然のことながら現場のエンジニアにも、高度な情報セキュリティ対策が求められるようになっています。
もちろんネットの普及していない時代にも、紙を媒体とした情報の管理や取扱いには、一定のルールがありました。しかし紙とは違い、スマホやタブレット端末やパソコンを介することによって、いとも簡単に情報を盗み見したり、コピーしたり、取り込むことのできる電子情報の場合には、人が気が付かないうちに情報が漏れてしまう恐れがあるだけに、やっかいといえます。従って人が意識的に電子情報の取扱いに注意する必要があるのはもちろんのこと、更に一歩進んで、そもそも人にずさんな情報管理をさせないような、より高度なセキュリティ対策を、構造的に講じておくことが強く求められるのです。
また現代社会における情報の価値は、これまで以上に高まっています。個人情報保護に対する意識の高まりは、一昔前のような誰もが幼いころからの顔見知りで、お互いに信頼し合うことのできたムラ社会を脱して、都会の見知らぬ人の間で暮らすようになった現代人にとって、自然なことであるのかもしれません。
しかしそれ以上にネットワーク時代の到来により、例えばオンラインショッピングやネット検索を通じて、店頭販売では覗い知ることができない、商品の選択や嗜好や興味の対象など、個人が意思を決定し行動するための手掛かりとなる、重要な情報を大量に把握することが容易になったのは、これまでにない大きな変化といえるでしょう。そしてそこには、人が知らず知らずのうちに操作されやすくなる危険が潜んでいるということを、多くの人が脅威に感じ始めているのです。従ってやはりIT技術を駆使して、安全で快適な高度ネットワーク社会を実現するために、セキュリティエンジニアの役割が高まっているのです。